NHKスペシャル「世紀を超えて」

地球 豊かさの限界
第二集 大地はどこまで人を養えるか
Typed by C.F
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塩害の畑
 インド・パンジャブ州
  近代農業を導入し記録的な増産
  行き過ぎた灌漑で塩害に

食料増産の世紀
 その度に大地の危機に直面
  土と水に異変が

食料増産か大地の保全か


地球・豊かさの限界
第二集・大地はどこまで人を養えるか


米国テキサス州
 刈り取ってもほとんど実が入ってない
  地下水低下による水不足
 去年夏の旱魃・被害額7000億円
 センターピボット
  過剰に水を吸い上げてしまった
  出てくる水の量は半減
   収穫も半分
 中西部・オガララ帯水層
  新たに水が溜まる事はほとんど無いところも

土を酷使し水を大量に使う農業
 農場は工場に
 ビジネスとしての農業
 過去半世紀
  生産性の向上
  農業機械
  品種改良
  農業ビジネスと農民の関係

第一次大戦による穀物相場の高騰
 小麦畑のために耕地を拡大
 トラクターによる農業ビジネス
 15年で生産が4倍になった州も
 1935年、ダストボール
  畑から乾燥した土の砂嵐が起こる
 残すべき所まで耕してしまった
 単作により有機物が減る
  表土の保持力が低下
 風食が拡大

カザフスタン、耕地面積は3分の2に
 小麦の収量が10分の1になった州も
  養分のかけらも無い土地
    肥料を撒いてもすぐに吹き飛ばされる
 1954年、処女地開拓計画
  3000万haの開拓
  米国への対抗
  平原は一面の小麦畑に
  灌漑のための貯水池を核爆発で作る
 小麦の作付けを止めた村
  もはや小麦が育たなくなった
  1960年代には風食が発生
 20世紀もっとも耕地を喪失した国


米国映画・怒りの葡萄
 食料増産に走り出した時代
 砂嵐がすべてを吹き飛ばす

今もなお世界各地で土地の荒廃が進む
 人間によって20億haが荒廃
  米国中西部
  インド・ガンジス河流域


アジアの大飢饉
 ベンガル飢饉では3000万人
 米国の対共産戦略はそれを飢饉の撲滅によろうとした
  小麦の改良品種の研究
  1954年の品種・奇跡の種子
   茎が短いため倒れずに多くの穂をつけられる
   大量の水と化学肥料によく反応する
  緑の革命
   1970年、ノーベル平和賞

1960年代、伝統的な農業を続けていたインド
 ロックフェラー財団などが農業指導を
 近代農業の導入を迫る
 1万8千トンの高収量品種が送られる
  初めての収穫で収量は2倍以上に
   大地が富をもたらすように
 農業機械
 大規模灌漑
 化学肥料
  化学肥料は価格ベースで6倍に
 インド、食糧自給を達成
  アジア各地で自給を達成

1980年代、インド・パンジャブ
 小麦畑に水が湧き上がる
  作物は全滅
  生態系の排水能力以上の水を与えた事による
   ウォーターロギング
 塩類集積
  イギリス植民地時代から問題になっていたところも
  1エーカーあたり2トンが15キロにまで収量が減少
 無計画に高収量品種と化学肥料を使う
 水の取り扱い方を知らなかった
 パンジャブ州では6万haが塩害に
 緑の革命の結果、土壌の破綻に


近代農業による緑の革命
 食料増産には成功
 5千年前から19世紀までは2倍にしかならなかった人類の農業生産
 20世紀に一気に拡大


1980年、再び食料増産
 ソ連が食料輸入に転じる
 中西部では15%の耕地面積増
  雨による耕地侵食
   ガリ・エロージョン
   経済損失は56億ドル
    政府内部でも有機農業や土壌保全についての議論
    1985年、新農業法
     国家として土壌保全に
 80年代以降、有機農業に転換した農民は1万5千人に
  さまざまな作物を畑に植える
  土壌の維持が可能に
  有機農業では需要を満たせないという批判も
 ビジネス重視のアメリカ農業
  農薬、センターピボット等による大規模農業
   コンピューター制御によるセンターピボット
  市場の需要を随時、畑に反映させる
  ビジネスマンとしての農場主
  世界中に食糧を供給する立場


米国映画・カントリー
 ビジネス化が進む農業への批判
食料生産の90年代にはいって伸び率は3%に
 食糧事情はそれ以上に伸び続ける


21世紀に向け、更なる農業のビジネス化
 バイオテクノロジーを使った種子
  高収量が売り文句
 米国モンサント社
  年商76億ドル
  バイオテクノロジーに巨額の研究投資
  インドに第二の技術革新をもたらそうとする
   去年、インドでの年商は前年比50%増
   塩や乾燥に強い穀物の開発を目指す


20世紀、食料増産への道を走り続けてきた
 年間9000万人の人口増加
 それを支えるだけの食料増産


バイオテクノロジーなどによってさらに増産に成功しても
それを土壌が支える事ができるか?


21世紀半ばには地球の人口は100億に到達