NHKスペシャル「世紀を超えて」
世界 ビッグパワーの攻防
第5集・ハリウッド・史上最大の映像帝国
ハリウッドの映像産業
20世紀とともに始まった新しい娯楽・映画
世界の8割を占める
産業を占めることができる
観客を想像の世界へ運ぶ輸送産業
一本平均50億円
世界・ビッグパワーの戦略
第5集・ハリウッド・史上最大の映像帝国
ショー・ウェスト
毎年3月のハリウッド
大手映画会社(WB)のその年、1年の作品発表会
トップスターを総動員して映画を売り込む
海外収益が過去6年で2倍に
タイタニックはETに比べて海外で4倍の収益
85%がアメリカ映画>ロシア・エジプト
100%がアメリカ映画>メキシコ
一本当たりの宣伝費は20億円
公開第1週で興行収入の3分の1を稼ぐ
ハリウッド
メジャースタジオ7社で超大作のほとんどが作られる
ソニーピクチャーエンターテイメント
試写室で編集中の予告編を見せ、反応を見る
8歳から11歳までの子供10人に
スチュワート・リトル
制作費100億円
今年のクリスマス商戦に投入
表情や言葉を細かくチェック
封切り1年以上前から予告編は作られる
マーケティングが命
良い映画でもこけるし、ひどいのでも売れる
3年前まで大ヒット作に恵まれない
マーケティングをディズニー出身のレヴィン氏に任せる
最初のヒット作はエージェント
予告編の作り直しを命じる
スポーツ映画と言うよりも女性をターゲットにしたラブロマンス
ヒットの決め手=キャラクターの設定に1年をかける
モーションキャプチャーで人の体の動きを再現
映画に加えTVやゲームにも投入し長期的な収益
フランチャイズ映画
みなに愛されるキャラクターを作る
フランチャイズの鍵はおもちゃ
スターウォーズをはじめとするハリウッドの映像作品がおもちゃの4割に関わる
全米で30億円産業
観客の欲望を捕らえる
1920年代に女性の入浴シーン
観客の感情の動きを観察する試み
次々にタブーを打ち破る
観客の心を探る技術も進化
どのスターが人気があるかなどラブシーンから小道具まで
観客の欲望を先取りする力
マイク・メダボイ
300本の映画を生み出す
15本でアカデミー作品賞ノミネート
7本で受賞
ロッキーで映画界での立場を不動のものとする
芸術だけでなくビジネスでもある
金を稼げない映画では生きていけない
1941年ロシア系ユダヤ人として上海に生まれる
ドイツからの迫害を逃れ上海へ
アメリカに移住後、大学卒業から一気に社長まで
ユダヤ人が入り込める唯一の産業が映画
入場料5セントのころ
ハリウッドに続々とスタジオが作られる
メジャースタジオの創始者はみなユダヤ系
見た目のわかりやすさ映像の面白さがハリウッドの特徴
チャップリンがハリウッドを世界に導く
英語が分からない人でも楽しめるもの
1920頃から海外に大量に輸出されるように
メダボイ氏をアメリカに向けたのもアメリカ映画
「2時間の逃避」
成功を夢見る世界の才能がハリウッドに集まる
第二次世界大戦前にすでに世界市場の8割を占める
アカデミー賞
生涯功労賞エリア・カザン監督
映画人の多くが拍手を拒む
1940年代後半の赤狩り
カザン監督は赤狩りに強力
名声と引き換えに仲間を裏切った密告者とみなされる
巨大な影響力のためにハリウッドが敵視される
不適切な映画の輸出が米国の国益を損なうとする
市場調査専門会社「ナショナル・リサーチ」
政治家を相手に選挙情報を扱っていた
今は映画産業に市場調査を提供している
人種・年齢・性別などでの多角的な情報
米国に限らず海外も
『危険な情事』
一般公開前の全国事前試写
エンディングを差し替える
露骨で本能的な説得力のあるエンディング
観客の反応に応じて映画のシナリオを差し替える
観客に答えること
アメリカ製品の広告塔
メン・イン・ブラック
大手サングラスメーカーがスポンサー
GEの食器洗い機
サングラスの売り上げは3倍に
アメリカ最大の輸出産業
ワシントンでのロビー活動
政府と連携した市場自由化活動
『我々の未来は安泰』
海外の映画界に脅威を与える
欧州で米国批判が起こる
欧州諸国は映画産業を政府が保護
フランスでは特に大きな反応
ジュラシックパークの恐竜を文化侵略のシンボルに
フランスの抵抗によって米国は断念する
フランスは国産作品の保護を続けている
韓国に対して自由化を求める
年間4割の国産映画上映を政府が上映規制をかける
上映制限を緩和すれば500億円を投資して近代的な映画館を建設するとの交換条件
韓国独自文化を危うくするものと受け止められる
「映画はその国のすべての文化を代表するもの」
後世のアイデンティティを形成する
「我々がビッグなのは世界の人々を魅了できるから」
新スターウォーズ
ルーカスは世界市場第2位の日本に最初に来る
「壮大な芸術は巨大な資本が必要」
バチカン、パルテノン神殿、そして映画