NHKスペシャル「世紀を超えて」
戦争、果てしない恐怖
第4集・地雷、無差別兵器の残酷
アフリカアンゴラ
世界最大の地雷被害国
今も新しい地雷が埋められ被害は絶えない
対人地雷は第一次大戦以来の兵器
悪魔の兵器
空中に飛び出して頭の高さで爆発する
対地雷撤去用のシステム
地雷を大量に散布するシステム
1日70人の人が被害を受けている
世紀を越えて・戦争、果てしない恐怖
第4集・地雷、無差別兵器の残酷
アンゴラ首都ルアンダ
ヒット曲「地雷に気を付けろ」
人口1100万人中10万人が地雷の被害を受けている
30年以上続く内戦の結果国土は地雷だらけに
戦闘は今も続く
国の東西を政府軍と反政府軍が支配する
国土の半分が地雷原
第2の都市フアンボ
町の周囲は地雷原のため空路でしか入れない
ほとんどすべての建物が破壊されている
内陸部への交通の要衝のため多くの激戦が起こった
フアンボ中央病院
地雷病棟
20人あまりが入院し毎日のように新しい被害者が訪れる
被害者のほとんどは町の郊外の農民
「幸運にも」病院まで早く運ばれたために命は助かった人々
新たな患者
6時間で病院にたどり着けたが左ひざ下を切断
1年前は難民キャンプへ
すべてが不足していたので村に戻って野菜を栽培していた
村への安全なはずの道で新たに埋められた地雷の被害に
97年12月・対人地雷全面禁止条約
99年3月で発効、7月までに89カ国が批准
批准石は4年で廃棄しなくてはならない
世界各国で爆破処分が行われる
非加盟のロシア・アメリカ・中国に20億個の対人地雷
アンゴラ、ギアナなどでは署名後でも使われている
アンゴラ
アンゴラ反政府勢力はダイアモンド資源をほぼ独占
ダイアモンドと引き換えに地雷を手にしている
政府側はアフリカ第一の油田権益を先進各国に売り軍事費にしている
双方が今も新たに地雷を埋めている
村人が通る道の近くで撤去作業が行われる
英国のNGOの支援で現地の人々が撤去作業をしている
道のすぐ脇には露出している地雷が
少しずつ乾いた土をはがしながら撤去作業が行われる
1人1日で3mも進まない
3月以降地雷の撤去に政府側が制限を加える
難民キャンプ
難民のほとんどは反政府側の埋めた地雷から逃れてきた農民
人々の恐怖を煽り政府側を疲弊させるために反政府軍は地雷を使う
反政府軍から町を守るために地雷を使う政府軍
難民は人口の20%に及ぶ200万人
米国ブルーグラス陸軍基地
朝鮮半島有事に備え大量の地雷が保管されている
対人地雷は1個数ドル
兵士が近くで操作する必要はない
地雷を生産したのは先進国を中心に54カ国
地雷被害国は発展途上国が主
カンボジアでは月に100人が地雷の被害に
アフガン内戦ではおもちゃだと思った子供が手にとって被害に
ユーゴでは家の中にも地雷が
アンゴラ・フアンボ
アンゴラ製の地雷は1つもない、すべて外国から持ち込まれたもの
24カ国に及ぶ国から持ち込まれている
旧ソ連製「黒い未亡人」PMN地雷
モスクワ郊外では今も地雷原戦を想定した訓練が行われている
旧ソ連時代から地雷を重視した防衛戦略
地雷の火薬は200gで十分
殺してしまわないことで敵側に大きなコストを負わせる
PMN地雷が大量生産されていた75年アンゴラは独立
ソ連・キューバの支援を受ける政府軍と米国・南アフリカに支援される反政府軍
ソ連は反政府軍にも武器を供与しどちらの勢力が勝っても資源を確保しようとした
フアンボ
畑仕事を手伝っていた13歳の少年が地雷の被害に
町から30キロの村は戦闘の最前線
政府軍は村に電力を供給する鉄塔を守るために村人の畑を地雷原にした
PMN地雷は子供を殺すだけの威力を持つ
結局左足をひざ上から切断
第二次大戦以降金属探知器が現れる
プラスティック地雷の登場で金属探知器は無効化される
米軍地雷撤去システム・スネーク
地雷撤去車によって一気に撤去
確実の方法は人の手によるしかない
このままのペースでは撤去に1000年かかる
新しいタイプの地雷被害者
足は無傷だが胸に多くの鉄の破片が食い込んでいた
跳躍型地雷
空中に飛び上がって空中で爆発する
指向性地雷
鉄の破片で人を殺傷する地雷
罠線に触れると爆発する
こうした地雷を開発し大量に生産し始めたのは米国
1千万個の地雷を保有し、対人地雷全面禁止条約には加盟していない
朝鮮戦争以降地雷の開発を進める
朝鮮戦争での中国は集団攻撃戦術を導入
これに対応するための地雷が指向性散弾地雷が開発された
多数の金属の破片を飛ばし複数の敵を倒す
指向性散弾地雷・M18A1クライモア地雷
58フットパウンド=確実に人を殺せる威力を持つことを求められた
ベトナム戦争で100万個を使用した
13カ国でその後大量生産される
アンゴラではこの種の地雷による被害も出ている
6人の登校途中の子供が即死した事例も
米国は地雷散布システムも開発
空中散布などで広い土地を一気に地雷原にする
フアンボ
反政府軍が奪還を目指している
多くの死傷者が出て、町の郊外を葬列が歩く
政府が地雷撤去を禁止したため作業はストップ
アンゴラは豊かな資源のために、世界でもっとも貧しく危険な国になってしまった