えばでONE

01
C.F (c.f@ijk.com)


「……おはよう、明日香……」
小声で言いながら、幼馴染の部屋へとは行っていくのは碇真嗣(16歳)。
朝の日課を果たしに来た所だ。
ベッドには幸せそうに眠る惣流明日香(15歳)の姿が有る。
その整った顔立ち、特に軽く閉じられた唇に引き寄せられそうになる、真嗣。
(かわいいなぁ、キス……してみたいなぁ)
だが、そんな考えに浸っている暇はない。
何とか邪念を振り払う。
「ねぇ、明日香ぁ、朝だよぉ、起きないと、また遅刻しちゃうよ」
そう言って、寝ている明日香の体を揺さ振る。
が、すぐには起きられないのが朝というもの。
「うぅ~ん、後10分……3分」
お決まりのせりふと共に、寝返りを打つ明日香。
「駄目だよっ、いつもそうやってるから、遅刻寸前なんじゃないかっ」
その言葉には若干の切迫感が感じられる。
それもそのはず、次に遅刻した時には、罰として1週間の間、
始業30分前までに登校し、指導部長に「挨拶」をしなくてはならないのだ。
「じゃぁ、真嗣がキスしてくれたら起きられるかも」
その言葉で、真嗣の思考は爆発しそうになる。
(キスって……キスって……キスだよぉ)
先ほどの邪念が渦巻き始める。
「えええっ……そんな、キスなんて……でも、明日香がそれで起きるんなら……」
(逃げちゃ駄目だ……逃げちゃ駄目だ……逃げちゃ駄目だ……逃げちゃ駄目だ……)
ぎこちなく体をかがめて、明日香に自分の唇を近づけていく。
どんどん接近する唇と唇。

と、寝ているはずの明日香の目が見開かれる。
真嗣と明日香の目が合った。
「ば~か、なに本気にしてんのよ。」
「えっ……ひどいよっ、明日香。僕をだましたんだ」
抗議する真嗣を無視して、明日香は起き上がる。
肩まである髪が寝癖のせいで、そこらじゅう、ぴんぴんはねている。
「あーあ、朝から、面白いもの見せてもらったわ……
 って、あんたいつまで、この部屋にいるつもり?あたし、今から着替えるんだけど。
 乙女の着替えを覗くつもりぃ?」
起き抜けの顔&寝癖は気にならなくても、さすがに着替えとなると気になるらしい。
「えっ、あっ、ごめん、そんな事するわけ無いじゃないか」
「いいから、はやく出てくのよっ(どげしっ)」
毎日の事ながら、蹴り出される真嗣。

牛乳とパンで簡単な朝食を済ませる。
もちろん、その準備は真嗣の役目である。

そして、仲良く(?)高校へと向かう。
「ねぇ、明日香ぁ、僕なんかにキスされて嬉しいの?」
「うっ、嬉しいわよっ」
今まで、真嗣と並んで歩いていた明日香は、早足でどんどん進んでいく。
小走りになって追いかける真嗣。
「えっ、なんで?僕だよ、僕っ。わかってんの?」
「うるさいわねっ、女の子はそういう時どきどきするものなのっ!」
「やっぱり、嬉しいんだ~」
「とっ、とにかく、行くわよっ、また真嗣のせいで遅刻しちゃうじゃない」
そう言って、走って行ってしまう明日香。
「あっ、待ってよ、明日香ぁ」

明日香が道の角で青い髪の少女とぶつかるのは、この直後の事である。







なんか、ONEのあのシーンそのままですね
こういうのはオリジナリティーとは言わないでしょう

修行せねば…



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