_ なんか知らないが仕事を上がった辺りから猛烈に気分が沈む。一時間ぐらい部屋で呆けた後、コンビニでつまみとハーゲンダッツを買って、マッカランのハーフロックを作って、飲む。孤独とか過去の記憶とかを考えていたのでKtFのCDドラマを聞きながら。
_ 第二話の時点でやられるなとは思っていたのだが、第四話で規定路線のようにやられまくり。
_ 一目会いたいという気持ちから、届かずとも声をかけたい、そして相手の記憶に残るかもしれないという期待。それは三度会った人との触れ合いとも呼応していたりとか。その時々に与えられたチャンスに精一杯で、決してそれ以上は求めない。そんな姿が心に残る。
_ 妖怪と人とが近くにあって、時に支配・被支配の関係だったり友人だったりもしつつ、決して相手との垣根を越えすぎない。そんな関係がどうしようもなく素敵だ。孤独であるということが、そうでないことよりも幸せかどうかは解らない。けれど、もし前提としての孤独があるとすれば、お互いの孤独をそのままにしながらも相手を思いやれるような、互いにどこかで気にしているような、そんな関係がとても、良い。
_ つまりそれが関係におけるバランスとか上品さと言ったものの本質なんだろう。
_ 桜庭のハヤカワJA新刊。少女という概念の発生、最盛、そして消失を描いたSF。
_ ガジェットが正しくSFである以上に、何らかのビジョン(世界観)を提示するという意味においてSFである。「少女には向かない職業」はミステリレーベルでの作品であり、ミステリにおける同様の概念「混沌の生成と秩序の回復」がより中心的であったが、本作では提示された混沌(謎)はそのままに放置されるが、そこで語られるビジョンの鮮烈さは際立つものがある。
たあいない会話だけど、やめられん。
せかいと繋がることを、やめられん。
_ 以下は思考のメモ。
_ 作者後書にあるように、本作のテーマは「つながっている」という事である。時代を放浪する少女が「大切なもの」として持っている携帯は端的にそのためのデバイスである。17世紀を舞台とする第一部においては魔術的な言葉や視線がそのためのデバイスであり、近未来(2022年)を舞台とする第ニ部においてはウェアラブルPCやHMDが取って代わる。そうしたデバイスを介して少女(あるいは少女的なもの)は単に外界に存在するだけの保護者や友人や恋人への志向を契機に、「せかい」とつながる。
_ 400年前や近未来に放り込まれようとも、彼女はそれぞれの場でそれぞれのデバイスを用いてと「せかい」とを繋ぐことができる。そこで用いられるデバイスはたどたどしい英語であったり、近未来のテクノロジーであったりするかもしれない。そこで彼女にとって都合のよいデバイスが準備されていることは偶然であったたかも知れない。だが、ただそこに誰かがいるというだけで、広がる青い空以外には何もない、得られた「せかい」とのつながりもまもなく失われる、というか不可能になるような場面でも、彼女は「せかい」とのつながりを感じることができた。
_ 物語のラストに配置された青井ソラの言葉は、単に今の刹那の「せかい」への別れではない。それは、可能であった全ての「せかい」、実現した全ての「せかい」、「せかい」が彼女にとって可能であったということ、この全てへの別れの言葉である。
_ 「せかい」を失い、少女は少女でないものにかわる。
_ 微妙に読む順番を間違えた? 余り関係なさそうではあるが。平易なテキストで書かれている分、引っ掛かりがなく、適当にだらだらと読んでしまった。別に気負って読む必要はないんだけど。ミステリやSFのように否応なく考えさせる類のテキストに慣らされすぎているのだろうか。
_ 今までに読んだ村上の作品はせいぜい80年代ぐらいまでの時代背景とリンクしていて、しかしその時代を私自身は生きたわけでなくて、その辺が妙な感じである。完全なファンタジーというわけではないが、自分と直接リンクしているわけでもない。
_
村上春樹「羊をめぐる冒険 上」【 amazon / bk1 】
村上春樹「羊をめぐる冒険 下」【 amazon / bk1 】
_ MADARAのアナザーストーリー、らしい。MADARAは知らないんであんまり関係ないけど。大塚は説教くさくなければ普通に楽しめる気がする。もっとも、説教を除いた部分の出来が秀でているかというとそれもまた微妙なんだが。
_ 村上と違って、こっちは90年代に10代を過ごしたという意味で時代背景は自分に密接にリンクしている。だが、それだけに大塚特有の説教くささ・押し付けがましさは際立つ。自殺とかカルト教団とか地震とか、それらに対する見方は確かに自分自身の過去における可能性の一つではありえただろうが、だが現実に与えられた過去は単一のものであって、その過去における経験は特権的なものである。
_ たしかにあの時代において際立つ経験をした同時代の人間はいるだろうし、そのこと自体は否定できることではない。だが、地震の死者数で賭けをする程度に傍観者であった自分自身を省みれば、際立つイベントに対しては単に傍観者であったという経験以外に残るものは何もない。そのことに関する倫理的な問題はもちろんあるが、だからといってその経験の私自身における特権性を否定するものでもないし、巻き込まれたものの経験が傍観者の経験より秀でているわけでもない。
_ むろん、単なる可能性の提示という以上の何かではありえない。として、今作をみなすこともできるのだが、しかし「ピザ配達の青年」に関する記述の冷淡さ辺りからは、そうした「可能性の中の一つ」という認識が大塚自身にあるかどうかはとても疑問に思える。その辺が説教くささ・押し付けがましさの根源なのかも知れず。
_ 一気に読んだせいもあってか「羊をめぐる冒険」に比べて多少は把握できたような気がする。
_ 出来ることと出来ないことがあって、宿命的に避けがたいことと人の意志で変えられることがあって。それ自身は単なる排中律で、数時間かけて読書するほどの内容でもない気はする。せいぜい、淡々たる中盤を延々と読み続けることで、ラストに配置されたセックスのこれも淡々たる描写にも多少の実質が感じられる程度だろうか。
_ それだけといえばそれだけだし、それなりに価値があるような気もする。
_
村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス 上」【 amazon / bk1 】
村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス 下」【 amazon / bk1 】
_ 寝坊もせず寝過ごしもせず出社したら、オフィスの鍵が開いてなかった。平日に開錠するのは初めてかもと思いつつ警備解除。徒歩で市ヶ谷〜新宿を往復したりしつつも、淡々と書類仕事して19時ごろに上がり。
_ 単行本タイトル「あしたのロボット」。近未来、それも現在のロボット研究・産業の流れを継ぐ小説であるので、妙なリアリティが。特にヒューマノイドタイプのロボットへの世間の反発はリアルで、ある種の「不気味の谷」を構成しているかもしれない。
_ 現在との継続・リンクを重視している分、「デカルトの密室」ほどエッジの立った作品ではないし、鉄腕アトムに思い入れのない世代にとってはいま一つぴんと来ない部分もあったりする。もっとも、少女の成長とロボットを絡めた「亜希への扉」と題された中篇(とても解りやすいタイトルである)はかなり良かったように感じたので、要するにバックグラウンドへの思い入れとかその知識とかに依存するのだろう。
_ 毎度のように「杜の奇跡」に参加するので、これも毎度のように山形周りを画策。高畠でワインとかどうだろうと思ってみる。指定の予約状況はこんな感じらしい。あと、おりくらさんは「さよなら芋煮会・旧高畠高校校舎お別れ会」なんでは、と思った。
つばさ 101号 06:28 08:40 ○ ○ △ −
つばさ 183号 06:36 09:16 ○ ○ ○ −
つばさ 223号 07:40 10:17 ○ ○ △ −
つばさ 107号 09:36 11:59 × △ × −
_ 223かな。集約して指定を取るので適当に名乗りをよろしく。
_ TOEICの結果が発表になった。730を超えたので仙台行きの旅費を確保。
117 2005/09/25 390 355 745
_ ついうっかり羽田〜千歳と大館能代〜羽田のチケットを取ってしまったのでその間の移動を検討してみる。
_ 道内の移動はどこを観光するにも以下のような感じで、Sきっぷフォーの函館長万部なんて切符が手に入るかどうかが問題(函館の友人に頼むことになる)。函館からの2日目の行程が要検討。普通に朝の白鳥で移動すると弘前着が昼近くになるので、はまなすを強行すると今度は7時には弘前についてしまう。そして、鷹ノ巣から大館能代までのバスの接続が悪いので弘前を14時ごろに出て、鷹ノ巣に17時着、徒歩連絡で空港という行程の雰囲気。
_ 弘前から大館能代まで雪の人の車を期待するのが一番楽ではあったりしつつも。どうでしょう。ちなみに藤崎を9時過ぎに出る五能線に乗れば五能線周りで大館能代に辿り着けるらしい(が、死んでしまいます)。
新千歳空港〜函館
北遊切符 3,000円
Sきっぷフォー 函館〜長万部 2,290円(単純計算)
函館〜鷹ノ巣
普通乗車券:4,830円
白鳥 :函館〜青森 1,680円 函館〜弘前 1,340円(乗継割引)
はまなす:函館〜青森 1,050円 函館〜弘前 1,020円(乗継割引)
_ というか、乗継割引適用の方が安いのか。
_ 変則勤務で初台の帰りにくわね氏と合流して土日きっぷ・つばさ指定を取ったり、帰宅後は夏コミ後初めて荷物を整理したりして、杜の奇跡の準備を。問題は金曜締め切りのGD#の原稿を書かねばいけないことだったり。
_ 別に休んだわけでもないけれど。なんとなくだらだらと。1943新宿の平塚行で横浜に出て、有隣堂を覗いてから新宿1958の逗子行に乗り継いでみたり。新宿の本屋を巡るより効率いいかも。
_ 新宿御苑前とか信濃町とか新宿区内をぐるぐるする予定。徒歩で。……信濃町と四ツ谷の間は中央緩行線を使ったが、帰りの秋葉原を含め結構歩いた気配。
_ 今、携帯オーディオ機器はW32SAとPSPなのだが、W32SAのバッテリの持ちがとても微妙なので、何か別のを考えてみる。既にSDオーディオを使っているので松下のSV-SDシリーズが無難かもしれない。FMに関してはFMケータイの機能が地味に便利だったりするし、バッテリが持たないといっても3時間ぐらいは持つので、実際には一日出歩いたりする時がメインになると思うのだが。
_ で、実際にヨドバシでSV-SD90にSDメモリとイヤホンを(勝手に)繋いで聞いてみたが、高音の抜けとか当然違うわけで。11月中旬にSDオーディオの新製品がでるっぽいので、その後の価格を見て検討するかな、といった感じ。
+ setta 『After... は歌が好き。「BUTTERFLY」とか「I'm after you」、「After Light」のイントロ、あと「未来の行方」。そういやこれも微妙に山岳モノだったか。ふと生徒諸君!を思い出したりも。』