『君の名は。』感想まとめ

『君の名は。』について、Twitterに書いたことを改めてこちらにもまとめました
転記にあたって、追記や修正を行っています

ノベライズ

映画を見た直後、ノベライズ2つ(角川文庫とスニーカー文庫)を読まないと伝わりきらないディテールがあるよねって話した。三葉の父(町長)と母の話とか、糸守のカフェに机と椅子を作るエピソードとか。

地形と視点

山手線と中央線(中央総武各駅停車)は南北と東西に交差するが、代々木新宿間でだけ併走する、みたいな話から始めたい。
山手線と中央総武各駅停車が織物の縦糸と横糸かなとか、中央線の向かうさきには飛騨があるとか、そう言う話。
糸守と四ツ谷がどちらも坂の町であるとか、かくりよに向かう山道とか、糸守の坂を下って町役場に走るとか、国立新美術館のカフェは宙に浮いたような場所だとか、六本木ヒルズのエレベーターとか、待ち合わせの四ツ谷駅赤坂口は橋の上だとか、千駄ヶ谷の陸橋とか、上下移動と橋が多いねって話。

AIR

『君の名は。』は、世代間の思いの継承と本質的に無力な介入者と、なにかに比するならAIRでしょう。
1200th summer。

モバイルスタンプラリー

東京に来た三葉が代々木駅で座ってるシーン「検索より、探索。」って後ろの広告のコピーがあって、狙ってるなあと思ったけど、スタンプラリーやってるFAN!TOKYO!のコピーだったのね。タイアップ先のコピーをここしかないシーンで使ってる。

失われたものの話

高山ラーメンのおじさんが良い仕事すぎて、あのパートの重要度は下げがたいなあという気持ち。
『君の名は。』の物語を経て、瀧は三葉に会えるようになる。だが、三葉が生き、瀧が夢見た糸守は災害によって失われたままだ。
それは、瀧の就活面接のシーンで瀧自身が語ったように、三葉があこがれ、瀧が生きた東京も同じようにいつか失われるかもしれないということでもある。

新海誠作品

クロスロード』をいま見返すと『君の名は。』のありえた別の形って気がしてくるね
『秒速』の話だけど、この前BS Premiumでやったとき、種子島の打ち上げのシーンの音量も光量も記憶より全然足りなくて、やっぱり劇場だなあとか思った(『君の名は。』また見に行きたい)