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米澤穂信『いまさら翼といわれても 前篇』のはなし

 『いまさら翼といわれても』は千反田えるの物語になるだろうか。  ある休日、折木は市の合唱祭の会場から千反田が突如消えたという連絡を伊原から受ける。千反田は何を思い、どこへ消えたのか。というのが今回の前篇だ。  物語の冒頭には、自宅で合唱曲の練習をしていた千反田が父に「だいじ...

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パスポート

赤いパスポートを手に取る。 ――MACHI TACHIARAI 大刀洗万智。発行年は二〇〇一年。有効期限が切れていたものを、先月取り直した。 『王とサーカス』, p.11  大刀洗は2001年に有効期限が切れていたパスポートを取り直している。10年有効のパスポ...

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サーカス

「自分に降りかかることのない惨劇は、この上もなく刺激的な娯楽だ。」 『王とサーカス』, p.175 「タチアライ。お前はサーカスの座長だ。お前の書くものはサーカスの演し物だ。我々の王の死は、とっておきのメインイベントというわけだ」 『王とサーカス』, p.176 ...

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瀬名秀明『エヴリブレス』を読み直す

0, 前文  『月と太陽』は2013年10月刊の瀬名秀明の短編集である。収録編は全て2011年3月以降に発表されたものである点は特筆すべきであろう。一方、『エヴリブレス』は同じく瀬名秀明による2008年3月単行本初版の長編である。  『月と太陽』を読んでいて、これはむ...

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『遠まわりする雛』が好きなあなたに『折れた竜骨』を薦める

『遠まわりする雛』および<古典部>シリーズのネタバレを含みます 『遠回りする雛』 『遠回りする雛』は<古典部>シリーズの四冊目、主に『小説 野性時代』を初出とする短編を集めた、今のところシリーズ内唯一の短編集である。冒頭の『やるべきことなら手短に』は奉太郎が千反...