『君の名は。』について、Twitterに書いたことを改めてこちらにもまとめました
転記にあたって、追記や修正を行っています
米澤穂信『いまさら翼といわれても 前篇』のはなし
『いまさら翼といわれても』は千反田えるの物語になるだろうか。
ある休日、折木は市の合唱祭の会場から千反田が突如消えたという連絡を伊原から受ける。千反田は何を思い、どこへ消えたのか。というのが今回の前篇だ。
物語の冒頭には、自宅で合唱曲の練習をしていた千反田が父に「だいじな話をするときによく使う部屋」に呼ばれるシーンが書かれ、また事件の導入部には伊原が遭遇した「甘すぎるコーヒー」を出す喫茶店の謎が置かれている。
瀬名秀明『エヴリブレス』を読み直す
0, 前文 『月と太陽』は2013年10月刊の瀬名秀明の短編集である。収録編は全て2011年3月以降に発表されたものである点は特筆すべきであろう。一方、『エヴリブレス』は同じく瀬名秀明による2008年3月単行本初版の長 … 続きを読む